お薦めの理由
本書はご存知、稲盛和夫先生の著書である。前出の『京セラフィロソフィ』と、内容的にかなり重複している。
それでもあえて、この本をお勧めする理由、本書は、「人間として一番大切なこと」という視点から書かれていることにある。一方で『京セラフィロソフィ』は、経営哲学という視点から書かれている事から、必然的に経営目線での内容となっている。
経営云々ではなく、あくまで「人間として・・・」というところが本書のキーになる。
稲盛先生は、ビジネス界において本田宗一郎先生・松下幸之助先生と方を並べる存在である。それ故、スピリチュアル向けではなく一般向けの書籍ととして書かれてはいるが、その中で『魂』や『宇宙』や『宗教』といった一見ビジネス界と関連性のない言葉が目立つ内容となっている。
故に、本書の内容はある意味、読み手のもつ精神性の度合いによりかなり評価が分かれるだろう。つまり、単なる精神論的な話と感じたり、また、説教じみた話と感じ取れるかもしれない。しかし、実のところ、そういったことが一番大事なことなのだと著者は述べられている。
本書に書かれていることは、人として最も重要で基本的な事ありながら、今の世の中非常に軽視されている事ばかりである。私自身の感想を少しだけ述べさせていただくなら、生きてゆくうえでこの本一冊だけあれば良いのではないかとさえ感じる。『京セラフィロソフィ』よりも、こちらをお勧めしたい。
本書のキーワード
- 人生の羅針盤=理念・理想・哲学
- 人格=性格+哲学(性格が核、哲学が核を包みこむ)
- 道徳とは=人類が育んだ叡智の結晶
- 心を高める=魂を磨く=精進する
- 座禅を組んで精神統一すること=日常生活の労働自体が修行
(俗世を離れる必要はない、一日一日を真剣に生きる事が必要) - 思念が業(ごう)を作る(思念に悪いものをまぜてはいけない)
- 自分の哲学をしっかりもつ(損をしてでも守るべき哲学を持っているか)
- まずは思うことが大切
- 見えるまで考え抜く(カラーで明瞭にイメージする)
- 人生は心のありようでいかようにも変えられる(運命は自分の心次第)
- 人生とは『今日一日』の積み重ね、『いま』の連続(継続は平凡を非凡に変える)
- 夢を描く・創意工夫・努力により人格は磨かれる
- 哲学に国境はない
- 人の上に立つ物には才覚よりも人格が問われる
- 得を積む=人格を大きくすること
- 何があっても感謝の念を持つ
- 欲を離れることが必要(欲望・愚痴・怒り)
→利他の心が必要 - 心を磨く
→悟りの境地 - 動機善であれば、必ずやことはなる(動機善なりや、私心なかりしか)
- 「利他」の心=「世の為・人の為に尽くす」という心のこと
→相手の立場を尊重する姿勢 - 足るを知るという生き方=エゴを抑え、必要以上に求めない
- 運(命)<因果応報
- 災難によって魂についていた業が消えてゆく
- 悟りを求めるより、こころを磨け
→ ①世の為人のために尽くすという、考え方 ②足るを知るという、生き方
読みやすさ
実用性 科学度 スピリチャル度
コメントを残す